歳時記

古賀選対委員長の〝ドロン劇〟

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 助言されるたびに、
「あっ、そう」
 と、ころころ考えがブレる人を「麻生」と言う。
 県知事を踏み台に国政に転身をはかり、劣勢の自民党につけこむように総裁候補にしろと「欲張る人」を、「東〝欲張る〟」と呼ぶ。
「あっ、そう」の自民党が、「欲張る」のマイナスイメージで都議選に惨敗。
(こりゃ、ヤバイ)
 と、甲賀忍者のごとく執行部からドロンしたのが、「こうが」じゃくなくて古賀選対委員長。
 そもそも議員というのは、死んでもポストにかじりつくはずなのに、
「責任を取って辞任する」
 とカッコつけるものだから、
「ウソつけ」
 と誰しも思うところだろう。
 ブレブレの「あっ、そう」に、「欲張る」の傲慢さ、そして「甲賀忍者」のドロンの3点セットで、自民党は空中分解したようなものである。
 ただし、自民党の内紛劇は面白く、このまま激化すれば、民主党の影は薄くなるだろう。
 そして、新総裁が劇的な登場となれば、有権者の心も動く。
「まっ、いろいろあったけど、自民党も頑張るって言ってるんだから、これまでのことは水に流して……」
 日本人は、そういうメンタリティーなのだ。
 だから、もし自民党に挽回のチャンスがあるとしたら、ここ数日のうちに内紛劇をもっともっと面白くし、国民の興味をクギづけにすることなのだ。
 だけどなァ。
 もし私がこのことを麻生首相に提言したとしても、
「あっ、そう」
 いとも軽々しく返事をすることだろう。
 悪い人ではないのだろうが、「あっ、そう」のブレブレでは、やっぱり頼りないのである。

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