昨日は、日帰りで受刑者の面接に出かけた。
新幹線で西に下り、在来線を二つ乗り換え、最寄りの駅からタクシーに乗る。
刑務所を訪れるときはいつもそうだが、運転手さんに刑務所名を告げると、返事をしたきり、黙りこくってしまう。
そりゃ、そうだろうな。
まさか、
「お客さん、ご家族が入ってるんですか?」
なんて、気軽にきけるわけがあるまい。
何となく奥歯にモノがはさまった緊張感とでもいうのか、この沈黙は気まずいもので、
「このあたりは緑が多いね」
と私が話しかけるが、
「ええ」
と言ったきり、会話が続かない。
刑務所に向かう車中で、ノンキに風景の話をするほうがどうかしているだろう。
かくして、私も黙りこくるのである。
受刑者と、仮釈放がもらえたときを想定し、どう身を処していくか話し合い、施設をあとにした。
駅の待合室で、麻生総理が来週にも解散するというニュースをやっていた。
総選挙は自民党の大敗だろう。
自民党がいいか、民主党がいいかの選択ではない。
日本のこの閉塞状況を変えたいと、私たちは願っているのだ。
「この不景気だからね。そう簡単には仕事は見つからないかもしれないよ」
受刑者の楽観を戒めた言葉を反芻しつつ、私は新幹線を待った。
刑務所に向かうタクシーの中で
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