歳時記

畑でずぶ濡れになりながら悟る

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 今朝は曇り空。
 午後から雨が降るという。
 迷った末、9時前になって、大急ぎで畑へ出かけた。
 今週末から来週一杯まで、畑へ行く時間がとれないからだ。
 例によって指南役の高齢親父、愚妻、私の三人である。
 畑で草引きをしていたら、頭部に〝気配〟を感じた。
 スキンヘッドならではの高感度である。
「雨がくるぞ!」
 私が叫ぶ。
「わかった」
 指南役が、そそくさと帰り支度にかかるが、愚妻は、
「待って、花を摘んでくる!」
 畑の端っこの花壇に走っていった。
 その後ろ姿を見ながら、
(地震がきて逃げ遅れるのは、こういうタイプだろうな)
 と思った。
 いつ雨が降り出すかわからないのだから、まず、やるべきことをやり、その後、いつでも素早く切り上げられることをすべきなのだ。
 花が欲しいなら、まず花を摘み、そのあと草むしりをすればいいのに、愚妻はその逆をやっていたのである。
 おかけで、夕立のような雨に見舞われ、私たちはずぶ濡れになったという次第。
 将棋に「手順の前後」という言い方があるが、「草むしり」と「花摘みと」手順が前後したばっかりにずぶ濡れになったのだ。
 人生においても、私たちはそうと気がつかないだけで、きっと「手順の前後」という過ちをたくさん犯しているのではないだろうか。
 順序が一手違うだけで、結果は天地の差になるのだ。
 

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