「男性の4割が、女性の〝すっぴん〟にガッカリ」
という調査記事を見つけて、考えさせられた。
自分をより美しく見せようとするのは人情であり、悪いことではない。
ところが、その努力ゆえにガッカリさせるのだから、何とも皮肉なことである。
さりとて、スッピンで勝負できればいいが、そうでない女性もいるだろう。
だから化粧をし、化粧するがゆえに、スッピンを見て男性が仰天する。〝負のスパイラル〟である。
これは容姿に限るまい。
素直で、やさしい女性だと思って結婚したら、これがとんでもない女だった、ということも世間ではよく聞く話だ。心の化粧に幻惑され、スッピンの心を見てびっくり仰天するわけである。
だが、これも、
「私は浪費家で、気が強くて、だらしない女です」
と、スッピンの心を見せたら、男はとっくに逃げ出しているだろう。
男についても同様である。
こうしてみると、「化粧」と「素顔」の関係は、実に難題ということになる。
ならば、どうすればいいか。
顔も心も化粧は「2割増し」ということでどうか。
10のものは12に見せればよい。
1割だと素顔と大差ないが、3割だとかなり変わってくる。4割を超えれば、「大バケ」である。
だから2割でちょうどいい。
もし2割で〝追っつかない〟としても、素顔をさらしたときのリスクを考えれば、〝2割増し〟で頑張るしかないだろう。無理すると、結局、自分が苦しむのである。
人生も同じことが言える。
ホラも2割増し。
たてまえも2割増し。
お世辞も2割増し。
欲も2割増し。
ついでに、努力も2割増し。
そうすれば人生は、たぶん楽に生きていけるように思うのである。
人生「2割増し」という処世術
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