タイの空港占拠事件、インドの同時多発テロ事件、ナイジェリアで激化するキリスト教徒とイスラム教徒の衝突……。
それがテロであれ、民主化運動であれ、宗教対立であれ、それぞれの国や組織が《正義》を掲げ、命懸けで戦っている。
つまり古来より、《正義》は国や組織の数だけ存在するということだ。
いや、人間の数だけ《正義》は存在すると言ってもいいだろう。この世のなかは、〝八百万(やおよろず)の神様〟ならぬ「八百万の正義」ということなのである。
そして、対立する《正義》においては、力の強い者、声の大きい者に軍配が上がる。
逆説的に言えば、《正義》という言葉が存在する限り、国は戦争をし、個々人はいがみ合うということになる。
すなわち、諸悪の元凶は《正義》にあるのだ。
諸悪の根源は《正義》にあり
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