歳時記

自殺予告に思う

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「自殺予告」の手紙が、伊吹文科相に送られて以後、国を挙げて自殺を思いとどまるよう「差出人」に呼びかけている。東京都教育委員会は、同様の趣旨で、緊急アピールを出した。
 未来ある子供が、いじめで自らの命を絶つなど、絶対にあってはならない。何とか思いとどまって欲しいと、切に願う。
 その一方で、今日のニュースは、五人家族が河口湖畔の林道で、車内に練炭を持ち込み、心中したと報じている。子供三人は女児で10歳未満だという。
 心中や虐待など、悲惨な事件があとを絶たない。
 命とは何なのか。
 私たちが、他人を思いやる心とは、いったい何なのか。
 自殺予告した生徒に対して、必死で無事を祈る私たちは、一方で、核兵器の開発や、世界各地の紛争には無関心でいる。紛争で、何千人、何万人という人が死んでいるというのに、なぜそれに憤(いきどお)らないのだろうか。
 この落差は、いったい何なのだろうか。
 自殺予告の生徒の無事を祈りつつ、私はそのことを考えないわけにはいかない。
 

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