歳時記

「嫌い」と「恐い」を考える

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「蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われる」
 という言い方がある。
 蛇蝎とは、ヘビとサソリとのことで、気の毒にも両者は嫌われる代表ということである。
 だが、同じヘビでも、キングコブラになるとどうか。
「嫌い」ではなく「恐い」である。
 人間も同じで、「嫌われ者」であっても、キングコブラのレベルにまでなれば、「恐い人」になり、「恐い人」はやがて「畏敬」に昇華していく。
 たとえばヤクザでも、チンピラは蛇蝎のごとく嫌われるが、そのチンピラも出世して大親分になれば「畏敬」されるである。
 小沢一郎は、これまでキングコブラであった。
 しかし、先の菅元総理の不信任決議をめぐるドタバタ劇、そしてこのたび民主党代表選で海江田万里を担いで敗北。
 時代は確実に変わりつつあり、小沢コブラの力は確実に落ちている。
 つまり小沢は、「恐い」から「嫌い」に格下げになってきたのだ。
 怖がられなくなったコブラはみじめだ。
 青大将と同じように、悪ガキから棒で打たれ、いじめられることだろう。
 毒を持たなくなったキングコブラは、もはやコブラではないのだ。
 

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