昨日、ある懇親会の席で、年配の方に年齢を問われ、
「もう59歳です」
と答えると、
「なんの。若くていていですね。まだまだいろんなことができて、うらやましい」
と言われ、面食らった。
還暦以後は余生のつもりでいるのに、70歳を過ぎた人から見れば「若い」ということになる。
一方、私から見れば30代は〝人生の駆け出し〟で、40歳になって以後を、
「若いね」
と言う。
私が担当する保護観察対象には30代も40代もいるが、
「もう30歳ですからね。ヤバイっスよ」
「いやあ、もう40代になってしまいました」
たいていこんな言い方をする。
私から見れば「人生、これから」の年代でありながら、当人たちは人生の〝たそがれ期〟に入ったように思っている。
いや、20代の女の子でさえ、
「やだァ、あと5年で30歳だもん」
と、そんな言い方をする。
どうやら年代に限らず、年齢に関しては常に「もう」という意識があるということか。
なぜそうなのか考えると、たぶん、それは〝人生に急かされている〟せいではないだろうか。
30代、40代で退職後のこと、老後のことを考える時代であることを思えば、なるほど人生は短く、
「もう40歳」
という気分にもなるだろう。
今年もあと10日。
《短い人生、そんなに急いでどこへ行く》
ふと、そんな言葉が脳裏をよぎるのである。
「年齢」を考える
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