今日も、墓前である。
お盆が近づくと、墓前でのお勤めが増える。
若くはないのだから、汗ダラダラは体力を消耗するので何とかしなくてはならない。
対策としては、和服用の日傘を持っているので墓地を歩くときにこれをさすか、それとも夏用の茶人帽をかぶるか。
愚妻に相談すると、
「茶人帽がいいわね」
言下にいう。
「なぜだ」
「だって、坊さんが傘さして墓地を歩くのはちょっとねぇ」
そういってから、
「忘れてくるだろうし」
ボソリとつぶやいたのである。
私に何かを待たせると、必ず忘れてくると思っているのだ。
実際、そのとおりではあるが、炎天下の対策よりも、日傘を忘れてくるリスクを気にしている。
今夏、ひょっとして私は愚妻のせいで熱中症になるのではないか。
そんな思いがよぎるのだ。