歳時記

河野行革大臣の鼻息

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「あっ、クルマのミラー畳んでください」
昨日、某所で言われ、
「ドアをロックすると、ミラーは自動で畳まれます」
「へぇ、そうなんだ」

驚かれて、私が驚いた。
いまや当たり前。
「ミラーどころか、時代はデジタルですぞ」
言ってから、そっと溜息である。

実際、右を向いてもデジタル、左を向いてもデジタル。
これを時代のうねりと言うのか。
私は平凡に暮らしているだけなのに、時代のほうで勝手にうねりをつくって襲ってくる。

明治維新のときも、きっとそうだったんだろう。

河野太郎行政改革相は鼻息荒く、坂本龍馬のつもりなのかもしれない。

だけどなァ。

「すべての責任は自分がとるから、ミスを恐れずスピードを上げよ」

デジタル化について河野大臣はそんな趣旨の発言をしたが、「責任をとる」とはどういうことなんだろう。

政治家にしても企業家にしても、彼らの「責任をとる」は、その地位から降りるというだけのこと。
要するに「サヨナラ、あとヨロシク」である。

こんなので「責任をとった」と言われたんじゃ、たまったものではない。

「責任をとる」とは一命を引き換えにすることだ。

だけどなァ。

河野大臣は、
「ミスをしてしまったら謝罪してコースを変更すればいい。日本全体のためにはより速く動くことが良いと思う」
そんなことも言っている。

もっともらしく聞こえるが、
「あっ、ミスっちゃった。ゴメン。じゃ、こうしよう」

こういうことなのだ。
それで責任とったつもりになってもらっても困る。

我が家なんか、愚妻にそんなこと言ったら大変なことになる。

ガースー内閣、ちょっとあせりすぎじゃないのか。

そのうち『東京五輪音頭』にならって、政府肝いりの『デジタル音頭』なんてのもできるかもしれない。

国家百年の大計、拙速は厳に戒めるべし。

「河野」が「コーNo」なんてシャレにもなるまい。

くだらないこと考えてるヒマはないのだが、二言目には「デジタル」と言われれば、そんな思いもよぎるのだ。

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