歳時記

依然、痛し

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 結石の痛みが依然、続いている。
 断続的なので我慢できないわけではないが、このまま強烈な痛みが続いたらどうしようと気が気ではない。
 結石は微細なものなので、小便と一緒に出てくれば一挙解決するため、せっせと水を飲んではトイレ通い。
 だが、出てこない。
 やむなく、いろんな予定を1日ごとにキャンセルしている。
「あなたの結石はしつこいのねぇ」
 愚妻が人ごとのように言う。
「しつこいとはどういう意味だ。一般的に結石は何日で出てくるのだ」
「そんなこと知らないわよ」
「知らないのに、なぜしつこいと言えるのだ」
「バカなこと言ってないで、水を飲みなさいよ」
 論戦を続けたかったが、「痛テテテ状態」なので矛を納め、ヨロヨロしながら机に座る。
 次第に腹が立ってきて、痛む脇腹の部分を拳でガンガン叩いて、
「結石野郎、出てこい!」
 怒鳴ったところが余計に痛くなって、先ほど動けなくなった。
 愚妻が2階に上がってきて、
「あら、寝てるの?」
 絞め殺してやりたくなった。
 座薬はあと5個。
「効きが悪いときは2個いっしょ使って下さい」
 と医者に言われている。
 とすると、使用できるのは2回か3回。
 気安くは使えない。
 いざというときのために、取っておかなくては。
 鎮痛剤アレルギーでなければ、対処の仕方はいろいろあるだろうに、難儀なことである。
 以前、頭痛のときにバファリンを服用して、顔から頭から発疹が出できて、えらい目にあったことがある。
 クルマで取材にいく途中で、東北自動道のサービスエリアでのことだ。
 先方に電話で事情を話してキャンセルし、発疹に顔と頭を腫らして帰宅したものだ。
 だから痛みには敏感で、結石の予兆があれば、すぐに跳んだり跳ねたりしていたが、今回は予兆ナシの不意打ちである。
 卑怯な結石なのだが、文句を言っても始まらない。。
 とにかく、これからは水を飲もう。
 しかし、加齢でトイレが近くなっている。
 水分の取りすぎは困る。
 とはいえ、結石ができるのもヤバイ。
 なるほど人生は二律背反という矛盾に満ちていると、痛みをもって悟るのだ。

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