「このゲス野郎」
と言われるのは、最大の侮辱だったはずなのに、いまや〝勲章〟になってしまった。
「このゲス野郎!」
「あっ、川谷クンね」
と、こんな調子である。
ゲスは、「下種」あるいは「下衆」と書き、
「身分の低い者」
「心や性質のいやらしい者」
という意味だ。
それが本来の意味を離れて、「あっ、ゲスの川谷クンね」になってしまう。
名前がひとたび売れれば、それが本来はどういう意味であれ、固有名詞として社会に認知されるということ。
私がいつも書くように、「悪名は、無名に勝れり」とはそういうことなのである。
悪名は、無名に勝れり
投稿日: