歳時記

「生涯現役」という生き方

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 ノンキに生きようと思っていたが、今月に入って気が変わった。
 理由はない。
 いつものように突然である。
 ある年齢になれは、生活も、人間関係もすべて削ぎ落としていくべきだが、それは単に「量」の縮小を意味するのではなく、不要のものを削ぎ落としたぶんだけ「人生の質」は高まっていかなくてはならない。
 そんな思いがよぎったのだ。
 それで、あれこれ考えた結果、今日という日を全力で生きることこそ、「人生の質」を高めることになるという結論に達した。
「全力」とは、忙しくすることではない。
 人生というものに真摯に向かい合っていれば、それは寝転がっていても「全力」なのである。
 笑うのも全力。
 本を読むのも全力。
 湯船に浸かってボーッとするのも全力。
 不真面目なことにも全力である。
 だから、道場の子供たちに対して、本気で空手の指導も始めた。
 今朝は家を6時30分に出て、横浜支部へ古武道の指導に行った。
「生涯現役」というのは、何事に対しても全力で取り組む情熱を持ち続けることではないか。
 老後の生活設計をしつつ、チマチマ生きるような人生など、私はまっぴらである。
 そう思うと、腹の底から「全力」という思いが湧き出てくるのだ。
 そこで、
「おい、わしの人生に〝定年〟はないぞ!」
 愚妻に高らかに宣言したところが、
「あら、結構なことじゃない」
 そう言って喜色を浮かべた。
 リアリストの愚妻は、私が心を入れ換え、死ぬまで働く決心をしたものと受け取っているのだ。

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