歳時記

傍観者として学ぶ

投稿日:

今日は午後から空手関係の祝賀会が成田市であった。
私は空手は隠居の身なので行事は欠席することしているのだが、今回は事情があって出席することにした。

さて、電車かクルマか。

会場のホテルは成田駅のすぐそばなので電車のほうが早くて楽なのだが、拙宅から駅まネクタイを絞めて10分ほど歩かなければならない。

これが問題だ。
汗をかきたくないのである。

で、10時。
「おい、天気はどうだ」
愚妻にスマホのチェックを命じる。

「曇り、32度」
「曇りなら、駅まで歩いても、さして汗はかかないな」

しかも、ワイシャツを素肌に着れば、汗をかいても電車の冷房ですぐに乾くだろう。

ところが、11時。
「ちょっと、いま外へ出てみたら暑くて大変よ」

愚妻の現場報告に、
「予定変更! クルマで行く。ワイシャツの下に着る下着を出せ!」

私の命を受け、愚妻が二階の仏間に上がって行った。

で、数分後。
居間でテレビを観ていた私のライン電話が鳴る。
愚妻である。

横着者が、と舌打ちをして電話に出ると、
「来てよ、早く!」
悲鳴をあげているではないか。

すぐに仏間に上がる。
何をどうしたのか知らないが、法衣や着物をぎっしりと吊ったハンガーラック2つが倒れ、愚妻が下敷きになっているではないか。

ハンガーラックを立てようとしたが、これが重いのだ。
どうしたものか腕組みをして考える。

「ちょっと、早く助けてよ!」
「そうしたいが、出かける前なのに汗をかくではないか」
「薄情者!」

さすがに怒っておった。

あとで聞けば、スマホを首から下げていたから私に助けを求めることができたということだが、地震で家具の下敷きになるのは実にヤバいということがよくわかった。

このことを愚妻は我が身をもって、私は傍観者として学んだのである。

-歳時記

Copyright© 日日是耕日 , 2024 All Rights Reserved.