暑い暑いと言っているうちに、8月も終わろうとしている。
「一生の速やかにすぎさること稲妻の如し」
とはよく言ったもので、まさに実感である。
このまま過ごしやすい秋口に突入してくれればいいが、夜は相変わらず蒸し暑く、寝苦しい。
私はエアコンが苦手なのだが、こうも蒸し暑いと仕方なく夜中に起きてエアコンをつけるのだが、設置場所が頭の上の壁際なのだ。
稼働のランプが点くため、それがまぶしくて寝られない。
で、やむなくアイマスクをつけ、冷気で鼻水が出ないようマスクを着用。
完全武装で寝ることになり、鬱陶しくてなかなか眠りにつけないため、寝不足の日が続いている。
一方、愚妻は私と真逆で、暑がり。
エアコンにもめっぽう強い。
居間はギンギンに冷気がきいている。
これが私には苦手で、夜は早々に冬物のパジャマに着替え、その上からフード付のパーカーを着込み、フードですっぽり頭部を覆い、さらに厚手の靴下を履いて居間に坐っている。
「バカみたい」
愚妻は嘲笑するが、私はこうでもしなければ、とても居間でテレビを観てはいられないのだ。
自分でも難儀だと思うが、体質だから仕方あるまい。
そう抗弁すると、
「だったら、さっさと自分の部屋へ行けばいいでしょう」
毒づかれ、気を悪くする私は7時のNHKニュースを観ると、早々に自室に引きあげ、読書するのだ。
おかげでこの夏は、いつになく本を読んだ。
人生、何が幸いするかわからないのだ。