「苦悩の本質」をときあかす、仏教小説
古代インドで起こった実在の事件〝父殺しの悲劇〟を題材にした著名な仏教経典「王舎城の悲劇」。
人間が普遍的にかかえる欲望と苦悩がこの事件にあることから、今日的なテーマでもある。
本書は、「王舎城の悲劇」のストーリーを追いながら、カルチャー教室を舞台にした老僧侶と4人の受講生たちが織りなす物語である。
〝苦の根源〟は、いったいどこにあるのだろうか──。
目次の抜粋
第1回講義
◎「四門出遊」の伝説
◎「悩み」と「悩みの犯人さがし」
第2回講義
◎お経の役割
◎生まれ変わるまえから恨みを持つ者
第3回講義
◎反省するのも「欲」
◎親の愛情と親のエゴ
第4回講義
◎無限に連鎖する「因」「果」
◎なぜ人は裏切られて怒るのか
第5回講義
◎無言の説法
◎救いの光明が射す瞬間
第6回講義
◎自己都合で生きてきた自分
◎「自分の欲」が生みだした苦しみ