年末年始は、日帰り温泉も混むはずなので行かないでいる。
世間の仕事始めは1月4日からなので、この日から日帰り温泉に行く予定にしている。
世間に逆らっているわけではない。
遊びでも休養でもない。
愚妻はのんびり湯船だが、私にとって日帰り温泉は仕事場の一つなのだ。
だが、寒さは増しているだろう。
拙宅の玄関を開けてクルマに乗り込むまで5秒、日帰り温泉の駐車場に停めてから館内に入るまで10秒。
この15秒をどうしのぐか。
弱点はスボンであることに気がついた。
さっそく通販でダウン入りの防寒スボンを注文した。
それを横で見ていた愚妻は、身体を中から温めるつもりなのか、負けじと銘酒の一升瓶を注文した。
かくして我が夫婦は防寒対策を完了した次第。
酒と言えば、昨夜、愚妻は料理屋でフグのヒレ酒を飲んだ。
先週は、埼玉の温泉地で岩魚の骨酒である。
「どうだ?」
両酒の感想を聞くと、
「岩魚は岩魚らしい味で、フグはフグらしい味だわね」
これ以上の的確な表現はあるまい。
私はノンアルコールビールを口に運びながら返事をしなかった。
大晦日まで残すところ一日。
年末年始はのんびりしようかとも思うが、頭を悩ませながら書いている懸案の原稿もある。
昨夜、テレビでヒマラヤ登攀のドキュメンタリーをやっていたが、私は暖かい部屋にいながらも、気分はヒマラヤ登攀なのだ