歳時記

朝三暮四

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昨日、やっとこさ自室の移動完了。
疲れたが一段落である。

これまで私は3部屋を一人で使用していた。
寝室兼用の自室、法衣や仏具など法務関係で使用している仏間、そして衣装部屋である。
加えて道場に仕事部屋がある。

これに、かねて愚妻がブーブー言っていた。
「二人しか住んでいないのに、あなたのせいで手狭なのよ」

もっともである。
それで私が使用するのは2部屋にした次第。

荷物の移動は、私が指示して愚妻が働く。
家の片付けもあって作業は連日におよび、
「痛タタタ」
愚妻が肩痛を訴えはじめた。

「それはいかん。整形外科で診てもらおう」
私が心配する。

「行ったほうがいいかしら?」
「もちろんだ。ただし、コロナの感染リスクがどうか」
「危ないわね」
「危ないが、肩痛とあればやむを得まい」
「行かない」

コロナを持ち出せばいいのだ。

そのうえで、
「明日の日帰り温泉は、いつもより30分長く浸かればいいだろう」
代替案を出せば、
「そうね」
表情がパッと明るくなる。

なぜか唐突に「朝三暮四」の故事がよぎるのだ。

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