歳時記

心配にきりなし

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安部総理が新コロナ問題で、経済的な打撃に対して支援策を打ち出すとか。
「それはいいぞ」
愚妻に言うと、
「あなた、関係ないでしょう」

そうか、私の仕事は〝新コロ〟とは何の関係もないのだ。

だが、影響がないわけではない。
後手後手の対応、あげくに全国一斉休校で世の中が不景気になると、当然ながらそのしわ寄せを私も受ける。
風吹きゃ、桶屋が何とやらなのだ。

加齢につれて遠出するのが次第に億劫になってきたので、今年は海外にでも旅行するつもりでいた。
だが、この〝新コロ〟で、
「日本人だと言うだけで、嫌われるんじゃない?」

愚妻の一言で、にわかに行く気が失せてきた。

遠出しなくても、近所の気帰り温泉が一番いい。
幸せは遠くにあるのではなく、足下にある。
このことに、あらためて気づく。

愚妻にそう諭すと、
「だけど、日帰り温泉が休館にならないかしら?」

心配している。
結局、人間は心配するようにできているということか。

『心配にきりなし、春霞』

くだらぬ一句が、いま頭をよぎった次第。

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