歳時記

小さいことは、いいことだ

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 恐竜が絶滅したのは、 小惑星の衝突が原因だそうだ。
 ニュースで報じている。
 直径10~15キロの小惑星がメキシコあたりに衝突して、マグニチュード11以上の地震が起こり、高さ300メートルの津波が襲う。
 さらに衝突の衝撃で、地表から大量の塵(ちり)が舞い上がって太陽の光を遮ったため、地球は寒冷化。これが10年にわたって続き、海のプランクトンや植物は死滅。食物連鎖の上位にいた恐竜などが絶滅したというわけである。
 ま、それはいいのだが、注目すべきは、
「身体が小さく、食料が少なくてすんだ哺乳類は生き延び、のちに多様化した」
 という下りである。
 恐竜は身体がバカでっかいので、大量の食料を必要とするがゆえに絶滅。
 身体が小さい哺乳類は食料がさしていらないため、生き延び、多様化していく。
 つまり、危機や逆風においては「小さいこと」は武器であるということなのだ。
 大不況のいま、トヨタを筆頭に大企業が苦しんでいる。
 図体が大きければ、逆風にさらされる面も大きいということだ。
 してみると、〝生涯自由業〟の私は、芥子粒(けしつぶ)のごとく小動物であり、これからも強く生き抜いていくという理屈になるではないか。
「どうだ、わかったか」
 胸を張って愚妻に告げると、ジロリと私をニラんで、
「芥子粒って、吹けば飛ぶんじゃないの」
 バチ当たりが、冷ややかに言い放ったのである。

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