歳時記

愚妻と枡酒

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犬吠埼のホテルに元旦から3泊ほどして、今日帰宅した。
拙宅から2時間。
雑事と仕事に追われ、遠出する気にはとてもなれない。

ホテルには温泉が引いてあって、サウナも露天風呂もある。
湯船で手足を伸ばし、のんびり太平洋を一望すれば鋭気も養えるのだろうが、
書きかけの原稿のことが頭をよぎり、そそくさと上がってノートパソコンに向かうのである。

正月を満喫しているのは愚妻である。
ホテルのロビーに樽酒が用意してあり、自由に飲める。
愚妻はソファに座って、おもむろに枡でグビリとやって、
「もう少し辛口のほうがいいかも」
ノンキなことを言っている。

そして、夜も9時になるとベッドルームで高鼾(いびき)。
私はといえば、隣室で、せっせとキィーボードを叩く。
かくして正月は終わった。
今年一年の行く末が見えるような気がして、漏れるは溜息ばかりなのである。

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