歳時記

ラスベガスから帰る

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いま、ラスベガスから帰宅。
「忙中閑あり」というわけではなく、年間予定に従ってのことである。

それにしても、私にはラスベガスは遠かった。
3度目だが、疲れ方も加齢に比例することがよくわかる。
いくらシートがフルフラットになるとは言え、飛行機の長旅はしんどい。
(日帰り温泉のほうが絶対にいい)
と、行きの機中から後悔しきりだった。

その点、愚妻は元気溌剌。
出発前のラウンジでワインを飲み、機中では和食をつつきながら日本酒を一杯やると、あとはグースカ寝息を立てていた。
強い女である。

ラスベガスといえば、カジノとショー。
ショーは話題の『KA』を観たのだが、愚妻はシルクドソレイユのアクロバッチクな演技を観ながら、
「カジノのゲームを思い出したわ」
と、スロットマシーンのド派手な映像のことを口にする。
バチ当たりな女である。

私はショーを観ながら、あの綿密な構成はどういう方法論で構築していくのか、練習の手順はどういうふうにやるのか、ストーリーはどうやって着想するのか、このショーの企画から構成までを坊主活動に見立てたらならばどういうことが考えられるのか、と余計なことばかりが脳裏をよぎる。

愚妻はショーを観ながらスロットマシーンに思いを馳せ、私もまた別のことを考えている。
ソレイユさん、ごめんなさいである。

愚妻は、私が服用している血圧の薬など何種類かを朝昼夜と小分けにし、「朝用」とか書いて持参している。

「朝、薬を飲んだ?」
「飲んだ」
「まさか昼の分まで一緒に飲んだんじゃないでしょうね」
「飲むわけないだろ」
「あなたなら、やりかねないから」
うるさくて、自宅にいる時と同じで、私は何しにラスベガスに行ったのか、心境複雑であった。

明朝10時に都内で取材。
明後日は、逆に取材を受ける。
なすべきことは山積している。
ため息をついているヒマはないのだ。

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