歌手の沢田研二が、コンサート開始直前にドタキャンしたとかで騒動になっている。
理由は2つと言われる。
客の入りが少なく、イベント会社はいったい何をやっているのかという怒り。
もう一つは、客がスカスカ状態では、とても歌う気になれないというモチベーションの問題。
とは言っても、観客が9千人と聞かされていたのが、実数7千人だっというだけの話。
ご本人は不本意かもしれないが、正直言って、
「エッ、彼のコンサートに7千人も入るの」
という驚きが、私にはある。
往年の人気歌手とはいえ、70歳を迎えて7千人を動員するのだ。
すごいじゃないか。
どうして、これに満足できないのだろう。
ある布教使の話だが、法話会を開いところ5人しか集まらなかったことがあるそうだ。
それでも彼は、
「私ごときの法話に5人もの方が足を運んでくださった」
と、心から感謝したという。
講演会やセミナー、空手のイベントなど、気がかりはお客さんの入りで、沢田研二の気持ちは私にもよくわかる。
だが、「7千人にしか来なかった」と考えるのは傲慢であり、「7千人もの人が来て下さった」と考えるのは謙虚である。
傲慢は結局、自分の首を絞めるだけだと、謙虚とはほど遠い私は我が身に言い聞かせるのである。