お盆が過ぎると、道場は子供たちでにぎわう。
夏休みで帰省したり旅行していた人が帰ってくるからだろう。
そして、これも毎年のことだが、お盆を前後して道場を辞めていく子もいれば、反対に入会してくる子もいる。
どうもお盆というやつは、日本人の気持ちに何かしら微妙な影響を及ぼすようだ。
これから一年の後半に入っていくという思いに急かされることもあるのだろうが、季節は人生に確実に影響する。
私もこれからさらに忙しくなる。
来週の土、日は神奈川県の丹沢で合宿、そのあと審査会、各種大会と行事が続く。
そして、この時期は、早くも年末年始をニラんで、原稿〆切の調整である。
むろん、〝前倒し〟ということはなく〝後ろ倒し〟である。
どうやら人生というやつは、こうして臨終のときまで〝後ろ倒し〟にしていくのだろう。
今朝も愚妻は早起きし、朝7時から日帰り温泉である。
昨日も行った。
「頑張って行ってくるわ」
と言い残して出かけた。
入浴するのに頑張る人間がどこにいるだろう。
「お前は幸せ者だ」
と言うと、
「ちょっと、あなたはこれまで私にどれだけ苦労させたのよ」
ブーメランになって返ってくる。
「好き勝手やってきて、いまも好き勝手やってるじゃないの」
批難はとどまるところをしらず、決まって最後は、
「風呂くらい入ってもバチは当たらないわよ」
そして、これも決まって私は、ただただ沈黙するばかりなのである。