会う人がみんな「呉市は災害で大変ですね」と気づかってくださる。
ありがたいことだ。
友人たちのことが気になるが、取り込んでいる最中に、役に立たない私が連絡を取るのは邪魔になるだけだろう。
状況は人伝に聞いている。
猛暑が続く。
高校時代、学校で「暑い」と言ったら、
「日本の夏は暑いことに決まっている」
と、担任に一喝されたことがある。
そのときは「なるほど」と合点し、以来、どうにもならないことは甘受するようになった。
だが、齢を重ね、仏法を囓るようになって、少し変わってきた。
どうにもならないとわかっていることでも、
「でも」
と思うのが人間ではないか。
日本の夏は暑いことに決まっているし、そのことはわかっていても、
「でも」
と、うらめしく思うことがある。
それでこそ人間というものではないかと、したり顔で思うのである。
大病をわずらい、死線をさまよった横浜の友人からメールがあり、この酷暑のなかを元気一杯で活躍しているとのこと。
彼は介護事業を営み、僧侶でもあり、あれこれ夢も語っている。
したり顔で能書きを言っている場合ではないと、これまた自分に言い聞かせるのだ。
したり顔
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