歳時記

バチ当たりばかり

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 昨日は盂蘭盆会法要で、都内のお寺に午前と午後に出勤。
 この歳になって新たなチャレンジは、新鮮で楽しいものだ。
 年寄りは邪魔にされることの多いものだが、坊さんは歳をとっているほうが、何となくありがたく見える。
 これは武道も同じで、経験が浅くとも、年配者はそこに端然と座しているだけで達人のように見える。
 だから兼ねて言っているように、歳を拾ったら仏道と武道がお勧めというわけだ。
 ありがたく見えれば、それだけ大事にもされるのである。
 晩年に至って、大事にされるのと邪魔者にされるのは天地の差になるのだ。
 ところが、昨日。
 私の留守に娘が拙宅により、
「お坊さんは長生きするそうよ」
 と、心配して愚妻に言ったとか。
 テレビでやっていたらしい。
 私が長生きしたら世間が迷惑すると、娘は心配しているわけだ。
 そう言えば先夜、女子中学生が道場で、
「館長、痩せたんじゃない?」
 心配してくれているのかと思ったら、
「館長が死んだら道場はどうなるの?」
 私の周囲は、バチ当たりばかりいるのだ。
 今朝、早朝散歩から帰宅すると、愚妻はすでに日帰り温泉へ出かけている。
 私は自宅の湯船で、今日やるべきことを考える。
 愚妻は日陰になった露天風呂で、何を考えているのだろ。
 私の周囲は、バチ当たりばかりいるのだ。

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