歳時記

「老い」と「若さ」

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 昨日は大学時代のサークルの同窓会が新宿であった。
 年1回開かれるもので、毎年、顔ぶれがだいたい決まっているため、先輩・後輩を見ると、確実に歳を取っていくのがわかる。
 
「歳を取るのは生きている証拠。死んだら、そうはいかん」
 と、うそぶいてはみるものの、そっと溜め息である。
 昇空館でジャケットを新調することになり、同窓会の前に新宿の洋服屋に寄って採寸してもらった。
 若いお兄ちゃんが採寸しながら身長を聞いてきたので、
「いま167センチだが、実は加齢とともに縮んでしまったんだ」
 と答えると、
「えッ、そうなんですか!」
 マジにリアクションしたので、こっちが驚いて、
「キミねぇ、縮むと言っても10センチも20センチも縮むわけじゃないんだから」
 やんわりたしなめたのである。
 それにしても、歳を取るというのはいいものだ。
 面倒なことは、
「歳だから、身体が動かなくてねぇ」
 とパス。
「来週? 歳だから外出するのが億劫でねぇ」
 とパス。
 興味があることは、
「まだまだ若いから大丈夫」
 と積極参加。
「老い」と「若さ」を自在に使い分けることができるのだ。

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