歳時記

「弱小人間」の時代

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 フィリピンのドゥテルテ大統領が、中国に大接近。
「他国との協議に興味はない。中国と話し合いたいだけだ」
 と述べたそうな。
 あるいは、対ロシア。
「米国が武器を売りたくないのであれば、ロシアに頼む。ロシアは『心配することはない。フィリピンが必要とするものはすべてそろっており、供給しよう』と言っている」
 と語ってみたり、アメリカの鼻ヅラを引きまわしている。
 米、中、ロという対立構造のなかで、弱小国がキャスチングボードを握る時代がやってきたということか。
 それだけに、弱小国の指導者は「駆け引き術」が要求されるが、ドゥテルテ大統領のやり方は、政治力というより「悪女の手練手管」である。
 気のある素振りを見せたり、嫉妬させたりで、大国を手玉に取ろうとしている。
 揶揄(やゆ)しているのではない。
 これは私の勘だが、〝弱小〟とされている人間が躍り出る時代がやってくるような気がしている。
 キイーワードは「手玉に取る」だ。
「手玉に取る」は、小が大に対してなすことであって、その逆はない。
 面白い時代になってきた。

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