このままでは、夏が通り過ぎてしまう。
世間はバカンス。
夏を味合わないなんて、癪ではないか。
「よし、近場のホテルへ泊まって、うまいもの食って、プールで泳ごうではないか」
愚妻に提案すると、
「時間があるの?」
リオ五輪を見ながら、横目でジロリ。
この一言で、バカンスの話は終わり。
来週一杯で「ルノアール展」が終わるので、ぜひ見に行きたいのだが、これも無理そうなので、
「ま、わしらはパリで見ておるから、いいか」
つとめて明るく言ったが、
「水泳、頑張ってるわね」
返事もしなかった。
リオ五輪の中継アナウンサーが、
「ガンバレ、ガンバレ!」
と絶叫している。
「わしを応援してくれているようだな」
冗談も言ってみたが、愚妻は無言の横目でジロリ。
こうして夏は過ぎていくのだ。
夏が通り過ぎる
投稿日: