一昨日は、上野の東京都美術館へ『モネ展』を観に行った。
忙しくて、それどころではないのだが、忙しいからといって予定を取りやめるのは「時間の借金」である。
そんなことをしていたのでは、やがて時間において〝破産〟することになる。
そう思って『モネ展』に出かけた次第。
平日だったが、結構な人出だった。
「やっぱりモネは絵が上手だな」
作品の前で愚妻に言ったら、周囲の人がジロリと私を睨んだ。
画家だもの、うまいに決まっているか。
そんなこともあってか、美術館に行くと、愚妻はたいてい私のそばを離れて一人で観賞するのだ。
今日は、在家仏教協会主催の講演会を聞きに出かけた。
講師は、阿満利麿先生。
東西本願寺に対して、厳しいことをおっしゃるので、どうしても講演を聞きたかった人だ。
ご著書は何冊か拝読してはいるが、法然、親鸞、そして念仏についてのお話しはさすがであった。
ことに『歎異抄』はよかった。
『歎異抄』については、前々から現代という文脈で書いてみたいと思っているのだが、視点が定まらず、発酵待ちの状態だったので、大いに参考になった。
来春刊行で、「名僧」をテーマに、これも現代という文脈で書くことが決まっているのだが、これの参考にもなり、さすが阿満先生である。
実を言うと、出かけるギリギリまで、中止にしようかと迷っていた。
執筆は時間との競争状態にある。
だが、『モネ展』同様、中止にすれば、これは「時間の借金」となる。
そう思い直して、出かけた次第。
行ってよかった。
と言うよりも、行動すれば、必ずリアクションがある。
対人関係のリアクションであったり、精神的な意味でのリアクションであったり。
「生涯青春」などと青臭いことは言わないが、人生というジャングルを鉈(なた)でハッサバッサ切り拓きながら進んでいこう。
人生にリタイアはないのだ。
「時間の借金」はしない
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