歳時記

私は亀になりたい

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 今朝は曇天だったが、雨続きだったのでウォーキングに出かけた。
 6時はまだ暗く、クルマがヘッドライトを点けて走っている。
 雑林も、ずいぶん葉を落としている。
 冬の実感である。
 散歩途中で、小川に架かる橋から鴨や鯉、亀を見下ろすのを楽しみにしているのだが、今朝は鴨も亀も姿がない。
「どうしたのかしら?」
 愚妻が問うので、
「鴨は冬支度、亀は冬眠仕度に入っておる」
 と答えてから、
「わしも冬眠したい」
 と言うと、
「ダメ!」
 言下に却下である。
 自分でも何をやっているのかわからないくらい、毎日がせわしい。
 数時間がいいから、コタツにでも潜り込んで冬眠の真似事をしてみたいと思うのだが、これがなかなかできないのである。
 もう小一時間もすると稽古が始まる。
 原稿は遅れている。
 胃が痛い。
 それなのに愚妻は、
「ちょっと、粗大ゴミを捨てに行く日を決めてよ」
 とノンキなことを電話で訊いてくる。
 亀の冬眠が脳裏をよぎる。
「私は亀になりたい」
 と、マジにつぶやいてみるのだ。

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