歳時記

気分は「終活」

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 昨日、某大学の男子学生が、道場の仕事部屋へやってきた。
 初対面である。
 過日、私のホームページを通して、「インタビュー」の依頼があったものだ。
 授業の一環だそうで、私の半生や人生観、仕事観などについてインタビューし、それをレポートにまとめるのだそうだ。
 もろもろ忙しかったが、将来ある若者の依頼であり、私で役に立つならと引き受けた次第。
 約束の時間ちょうどにやってきた。
 しかも質問や態度、受け答えが真摯で好感が持て、ついつい余計なことまでしゃべってしまった。
「近ごろの若者は」
 と、舌打ちしたくなる学生が多いなかで、彼のような、見どころのある若者もいるのだ。
 何事も十把一絡げで見てはいけないことに改めて気づかされ、彼と会ってよかったと思った。
 今日は午後から粗大ゴミの整理である。
 原稿を書かねばならないが、前々からの予定であり、眉間にシワを寄せた愚妻の顔を見ると、
「忙しい」
 という言葉は、とてもじゃないが、口にはできない。
 それで整理を始めた。
 愚妻が物置からキャンプ用のテントを引っ張りだし、
「まだキャンプに行くつもりなの!」
 トゲのある言葉で言う。
「いらん」
 ゴムボートを引っ張り出して、
「釣り、するの!」
 うんとトゲのある言葉で言う。
「いらん」
 12月3日で64歳になった。
 粗大ゴミを整理しつつ、昨日、インタビューにきた20歳の学生を思い浮かべる。
 人生のスタートラインに立つ若者と、人生のゴールを目前にする私。
 気分は、もろ「終活」なのである。

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