今週はノロウィルスに苦しんだ。
激しい下痢と嘔吐、微熱に頭痛である。
「絶対に下に降りてきちゃダメよ。用があったらケータイで言って。トイレも二階だけよ」
自室に閉じこもっていろ、とマスクにゴム手袋という完全防備で、愚妻が厳命する。
丸二日、発症前夜から数えて丸三日、水だけで延々とベッドに横たわっていた。
たまに愚妻が現れたと思ったら、
「あら、顔が小さくなったんじゃない?」
笑顔でノーテンキなことを言う。
笑顔は時として〝残酷な刃〟になるのだ。
あとづけみたいだが、今年はノロウィルスに感染するのではないかと漠然とした思いがあった。
あれこれ予定が詰まっているので、それとぶつからなければいいが、と気になっていた。
(こういう勘はバカにできないな)
とベッドで苦しみながら思った次第。
それにしても回復期に入った二日間、ずいぶん本を読んだし、あれこれ考えをめぐらせる時間があった。
こうした時間がいかに貴重であるか、再発見できたのはノロウィルスのお陰である。
人間、経験にムダなしという。
ノロウィルスに感謝である。
ノロウィルスに苦しむ
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