昨夜遅く、京都より帰宅。
10日間におよぶ僧侶の研修(教師教修)は無事、終了した。
教修の受講者は55名で、これが4班に分かれ、寝食を共にしつつ勤行の実習などをするのだが、早朝から夜まで予定がびっしり。
62歳の身には、とてもハードなのだ。
受講者のほとんどが若者で、しかもお寺の後継者。
落後しないよう、班に迷惑をかけないよう、そのことだけを考えて必死の10日であった。
ま、それはそれとして、私がショックだったのは、前頭部が思い切り禿げ上がっていたことだ。
研修期間中は頭を剃る時間がないだろうと、京都行きの数日前から剃らないでおいた。
次第に髪が生え始めていくのだが、前頭部から頂点にかけてだけ、生えてこない。
この7年間、毎朝剃っていたので気がつかなかったが、いつのまにか禿げ上がっていたのである。
鏡を見ながら嘆息していると、
「あのう、どうかしましたか?」
同じ班の20代の若者が心配して訊いてきた。
「いつのまにか禿げているんだ」
「でも、渡辺謙みたいで、カッコいいっスよ」
「ありがとう」
そう応えたものの、私は若者に慰められる年齢になっているということなのだ。
もう肩肘張って生きていくのはやめよう。
そんなことを考えさせられた10日間であった。
帰宅すると、愚妻が私の禿げ上がった頭を見て、
「あら、お爺さんみたい」
と、うれしそうな顔で言う。
これはカチンときて、やっぱり肩肘張って生きていくべきだと、考えを修正した次第である。
京都より無事、帰還
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