感謝の言葉というのは、実に難しい。
今日の昼のこと。
愚妻が道場の仕事部屋に、弁当を持ってきた。
胃薬も「昼用」と書いたナイロンの小袋に詰めて、持参している。
これには私も頭が下がる。
そこで、感謝の気持ちを込めて、
「おまえに先立たれたら、わしはどうやって生活をすればいいんじゃ」
そう言ったところが、
「ちょっと、どうして私を先に殺すのよ」
愚妻が柳眉を逆立て、
「私は死にませんからね。ええ、絶対に死ぬもんですか」
「いやいや、そういう思いが自分を苦しめることになるのだ。人間は必ず死ぬ。そのことを、しかと心にとめて・・・」
「ダメダメダメ、私は死にませんからね!」
感謝の言葉が、妙なことになってしまった。
言葉とは、かくのごと難しいものなのである。
「感謝」と「言葉」
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