朝4時に自宅を出発し、東北自動車道をのんびりと走る。
後続のクルマがビュンビュン追い抜いていく。
かつての私はビュンビュン派で、チンタラ走っているクルマを見ると、
(ヒマ人はしょうがねえな)
と悪態をついたものだ。
その私がいまやチンタラ組。
ビュンビュン派に追い越されることが、むしろ楽しいのだ。
何が楽しいのかというと、追い越されても頭に来ない自分である。
チンタラ走ることに愉悦をおぼえる自分である。
そんな自分、すなわち「年齢とともに変わってきた自分」を意識することが、とても楽しいのだ。
若いころは、「変わらない自分」でありたいと思った。
変わるのは「変節漢」として軽蔑した。
やせ我慢であっても「変わらない自分」を貫き、変わらないことを楽しみとして生きてきた。
だが、いまは違う。
「人間は、どうしようもなく変わっていく」ということに気づき、変わっていくことが楽しいのだ。
むろん、いいほうに変わっていくとは限らない。
それでも、変わっていく自分に心ときめくのである。
変わっていく自分
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