若いころ、お世話になった方に20年ぶりで会った。
年賀状に、たまには顔を見たいという添え書きを頂戴したからである。
こうしてお目に掛かれば昔と少しも変わらないと思うが、雑踏ですれ違えば、きっと見過ごしてしまうだろう。
歳月の重みを感じる。
その方は、私が学生だったころ、
「一流の人間になりたければ、一流の人に会いなさい」
とアドバイスしてくださった。
その言葉を、40年たったいまも鮮明に覚えている。
週刊誌記者をやっていたので、政治家から芸能人まで、一流の人にはずいぶん会ってきたが、私はついぞ一流にはなれないでいる。
「一流の人間になりたければ、一流の人に会いなさい」
という言葉には、
「だからといって、誰もが一流になれるとは限らない」
という続きがあったのではないか。
そんなことを帰途の電車のなかでつらつらと考えていると、笑いがこみ上げてくるのだ。
20年ぶりの再会
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