今夜は皆既月食である。
「月が地球の影で、赤黒く見えるぞ」
と道場で子供たちに告げると、
「それって、カイキじゃん!」
小学生の男子が声を張り上げた。
「そうだ、皆既だ」
「月にカイキなんて、ヘンじゃん」
と納得しない。
話が噛み合わないので、よくよく話を聞いてみると、その子は、
「怪奇」
と言っていたのである。
月が赤黒く見えるのは「怪奇現象だ」というわけである。
いま9時36分だから、あと10分ほどで皆既月食が始まる。
稽古が終わって道場にいるので、帰り道で見れるだろう。
今朝、愚妻に皆既月食のことを告げたのだが、
「あっ、そう」
と無関心であった。
花火は大好きなくせに、こうした自然現象はハデさがないため、愚妻は関心がないようだ。
そういえば何年前だったか、愚妻は友人たちとアラスカへオーロラを見に行ったことがある。
運よく見られたと喜んでいたが、オーローラの美しさよりも、「運よく見られた」ということを喜んでいるように私は思えた。
誰でも見られる皆既月食に関心を示さないのは当然ということか。
今夜は皆既月食だ
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