最新刊の『会話は「最初のひと言」が9割』(光文社新書)が重版した。
発売されて、まだ10日なので、出足は好調のようである。
ともあれ、読者諸兄に感謝。
著述業という仕事は、プロ野球の選手のようなもので、打率が悪ければスタメンはおろか二軍に落とされ、そこでも見込みがなければ〝解雇〟となる。
楽な世界じゃないが、好きで始めた仕事だから、文句を言っていくところはどこにもない。
そういう意味において、ある種の達観はある。
この達観は私だけでなく、愚妻も同じのようで、
「ちょっと、米国債がデフォルト(債務不履行)とか何とかニュースで言っているけど、デフォルトしたらどうなるの?」
と訊いてきたので、
「世界経済は大変なことになる」
と答えると、
「あっ、そ」
ケロリと言う。
「大恐慌になれば不景気の嵐が吹き荒れ、食べるものもなくなるぞ」
「畑のものを食べてればいいじゃない」
「バカ者。〝畑ドロボー〟にやられる」
「じゃ、畑へ行って番をしてればいいじゃないの」
「誰が」
「あなたに決まってるじゃないの」
夫婦でこんな会話をしつつ、真夏の夜は更けていったのである。
真夏の夜の「夫婦の会話」
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