歳時記

何事も深く考えず、ひょいと

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 フェイスブックを始めた。
 いや、「始めた」というのは正確ではない。
 知人に招待され、深く考えず、ひょいと参加したのである。
 だが参加すれば、当然ながらネット上に友人ができる。
 知らん顔はできない。
 で、あたふたとフェイスブックの入門書を購入した次第である。
「深く考えず、ひょいと」
 というのは、私の悪いクセだ。
 保護司になったのも、坊さんになったのも「深く考えず、ひょいと」であるなら、すでに得度しているのに、中央仏教学院の通信教育に入学したのも「ひょいと」。
 龍笛を始めたのも「ひょいと」なら、いろんな仕事や雑用を引き受け、時間のやりくりに悲鳴をあげているのも、すべて「ひょいと」に原因があるのだ。
「少しは考えなさいよ」
 と愚妻に言われるまでもなく、自分でも反省しているのだが、しかし、この「ひょいと」によって、人生はラグビーボールのように思いがけない方向に飛んでいくから面白い。
 そして、その面白さが何かと言えば、人との出会いである。
「ひょいと」がなければ、生涯を通じて出合うことのないであろう人と知り合っていく。
 ここに人生の面白さがあるのだ。
 そういう意味で、「深く考えず、ひょいと」というのは、人生を楽しむ秘訣のように、私は思っているのである。

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