87歳の映芳爺さんが連日、畑へ出かけている。
「あれも植えた、これも植えた」
と、手柄のように語る。
だが、畑を耕したのは私なのだ。
堆肥を入れ、スコップで土をひっくり返し、鍬で耕し・・・。畑に出かける前に、イッチ、ニー、サン、シーと、入念に準備運動までしているのだ。
当然ながら汗びっしょりで、
「帽子は換えが必要だな」
と愚妻に命じたほどだ。
しかるに、
「さあ、植えるぞ!」
と楽しみにしていた矢先、
「あれも植えた、これも植えた」
というわけである。
『縁の下の力持ち』
という言葉があるが、私の場合は、
『畑の耕し男』
といったところか。
ま、それでも87歳が喜ぶなら、それでよしとしよう。
私は「畑の耕し男」
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