今日は「ニットの日」だ。
2月10日で「ニット」。
語呂合わせである。
神奈川県の編み物教室や編み物学校で組織する「横浜手作りニット友の会」が1988(昭和63)年に制定し、1994(平成6)年に日本ニット工業組合連合会が全国的な記念日として制定したものだ。
昨年の記事を見ると、全国各地の手芸店でニットのイベントが開催され、編み物に自信のない人でも丁寧に教えてくれたとあるから、今年も各地で開催されるのだろう。
編み物といえば、あの歌である。
「母さんが、夜なべをして、手袋編んでくれた・・・」
「夜なべ」なんて、いい言葉ですな。
これが「徹夜」だと、残業のようで雰囲気がでない。やはり「夜なべ」でなくちゃ。
メロディーと相まって、いくつになって聞いても、胸にジーンとくる歌である。
母さんだけでなく、若い娘さんもバレンタインデーを目前に、彼氏のためにせっせと手編みのマフラーを編んでいることだろう。
だからか、編み物は趣味としても人気のようだが、裁縫はどうなんだろう。
というのも、前々から気になっているのだが、道場で、稽古着の膝が破れたままになっている子供を、ちょくちょく見かけるのだ。
稽古着の乱れは、心の乱れにつながる。
だから、
「縫ってもらいなさい」
と、心を傷つけぬよう、やさしく注意する。
ところが、いつまでたっても縫ってこない子が、これも少なからずいるのだ。
稽古着を洗濯するときに、膝の破れに当然、親御さんは気がついているだろう。
いや、たいてい稽古着で通ってくるから、家を出る前に親御さんは膝の破れを目にしているはずだ。
それでも縫ってこない。
ミシンが使えないのか、破れたままで平気なのか、そのうち新しく買うからいいと思っているのか。あるいは、ひょっとして気にならないのか。
それぞれ事情もあるだろうが、親御さんの気持ちがわからず、私は戸惑いつつも、
(「夜なべ」しなくても、ミシンですぐ縫えるだろうに)
と、「ニットの日」に思ったりするのである。
「ニットの日」と「稽古着の破れ」
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