朝青龍が引退した。
解雇されることがハッキリしたので、やむなくの引退だとメディアは報じている。
それも当然だろうというのが世間の反応のようだが、これまで朝青龍をめぐる一連の報道で、私が違和感をおぼえたのは、
「横綱の品位」
というやつである。
相撲協会がマジで横綱に「品位」を求めているとすれば、悪い冗談である。
だって、考えてみればわかるではないか。
相撲取りは〝男芸者〟と揶揄(やゆ)される。
タニマチに〝ごっちゃん〟になるからである。
そんな男芸者のどこを探せば「品位」が出てくるというのだろうか。
男芸者に求められるとすれば、「品位」ではなく「意地」と「矜持(きょうじ)」である。
ひらたく言えば、プライドである。
男芸者ナンバー1としてのプライドがあれば、泥酔して一般人を殴ることなど、あるわけがない。
ウソをついて巡業を休み、モンゴルでノーテンキにサッカーに興じるわけがない。
繰り返すが、これは品位(人格)ではなく、横綱としてのプライドの欠如である。
それを、あえて「品位」という言葉を使うのは、
「横綱は人格者である」
というイメージのすり替えである。
先の相撲協会理事選で一門という利害対立を見ていて、私が親方なら、恥ずかしくて「品位」などという言葉は、口が裂けても言えないと思うのである。
朝青龍と「横綱の品位」
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