初詣に行かなくなって、今年で4年目である。
かつては近くの成田山新勝寺へ出かけ、参道の鰻屋へ立ち寄るのが正月行事だったが、得度してから当然ながらやめた。
成田山は真言宗で、私が得度したのは浄土真宗。
いくら鰻を食べに行くのがメインとはいえ、新年初頭、親鸞さんを差し置いて、空海さんに手を合わせるというわけにはいかない。
行くなら当然、築地本願寺だ。
千葉の佐倉市から都内築地までちょっと遠いのだが、本日は「今年こそ」との決心である。
本音を言うと、鰻のかわりに、帰りは浅草へ寄って着物を見ようという魂胆だ。
いつも行く店に電話して、正月営業については確認してある。
あとは愚妻をたぶらかして、お金を出させればOK。
「おい。初詣のあと、浅草へ寄って食事でもご馳走しようか?」
「自分で買ってよ」
ジロリとにらむ。
「まだ何も言ってないじゃないか」
「あなたの魂胆なんか、わかってわよ」
身銭を切れば、この先ずっと自分で買わされることになる。
これはまずい。
どうするか。
しばし考えてから、
「初詣は中止。天気がいいから風呂へ行くぞ」
君子は豹変するのだ。
そんなわけで、本日は午後からスーパー銭湯へ出かけ、露天風呂につかりながら、次回のチャンスを待つことにしたのである。
初詣は中止だ
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