民事事件の争いは、「0対100」ということは、まずあり得ない。
「20対80」になるか、あるいは「40対60」になるか、いわば過失割合をめぐる攻防である。
だから、うまくゴネれば得をすることになる。
北朝鮮のゴネ方を見ていると、
(これは民事の手法と同じだな)
と思う。
拉致問題、核問題でゴネ、いまもゴネ続けているが、今度は韓国軍の高速艇と、北朝鮮警備艇が黄海で銃撃戦をやり、またもや北朝鮮がゴネているのだ。
韓国サイドの発表によると、
「越境した北朝鮮警備艇に対して警告射撃を発したところ撃ち返してきたので応戦した」
ということだが、おそくらそのとおりだろろう。
6カ国協議の問題もあり、ゴネ得を狙う北朝鮮に対して、韓国が挑発するとは考えられないからである。
ところが北朝鮮は、
「おんどりゃ! こうなりゃ、わしも黙っとらんど!」
と、韓国にケツをまくって見せた。
非は自分にあろうとも、そんなの関係なし。〝民事〟の手法で、とことんゴネ始めたというわけである。
メディアの解説によれば、今後開かれると予想される米朝対話に向けて緊張状態をつくりあげることで、北朝鮮が有利にコトを運ぼうとしているとのことだが、まさにそのとおりだろう。
北朝鮮はともかく、現実に高い確率で「ゴネ得」は存在する。
たとえば、いま吹き荒れるリストラの嵐。
ケツをまくってゴネる人間に対しては、〝馘切り役〟も敬遠し、〝いい人〟や〝おとなしい人〟からリストラされていく。ペット犬は足蹴にしても、噛みつく犬には決して近寄らないのである。
悲しいことだが、いつの時代も、「ゴネ得」をいさぎよしとしない「いい人」は、結局、貧乏くじを引かされてしまうのだ。
「いい人」は貧乏くじを引かされる
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