「ポメラ」を買った。
犬ではない。
文章を入力する機能だけを持つデジタル機器だ。
大きさは文庫本のサイズで、重さは約370グラム。
いまブームのミニパソコンよりも断然軽く、起動がわずか2秒。単四乾電池2本で20時間も使えるのだ。
しかも、実質価格は2万円を切る。
私は「メモ」もしくは「文章入力」に特化したデジタル機器が欲しかったのだが、これまでなかった。
パソコンにくわしい連中にそのことを話すと、
「そんなもの作って、誰が買うの」
と鼻で笑ったものだが、私はいずれそんな機器が出るものと、根拠のない確信を抱いていた。
で、昨年11月、ポメラが発売になったではないか。
(ほら、見ろ!)
とばかり、秋葉原へ買いに走った。
買いに走ったが、
(でも、文書入力だけじゃなァ)
と、ポメラをいじりながら、浅ましくも日和(ひよ)ってしまった。
それで、ポメラに後ろめたさがあり、今日まで買わなかったというわけである。
で、この間、ミニノートを2台買った。
いつも携帯して、ちょこちょこっとアイデアフラッシュなど、メモ程度の文章を書くためだ。
インターネットもできるから便利ではあるが、なにしろ起動が遅いのだ。しかもバッテリーの消費が気になるし、コードで充電しなければならない。
ちょこちょこっとメモするには不便なのである。
そこで、かつて日和ったことをポメラに詫び、購入したという次第。
まだ使い始めだが、これがすこぶる便利なのだ。
ランダムにメモを打っておいて、それをUSBコードでパソコンに取り込み、そこで編集なり、きちんとした文章にすればいいのである。
(よし、これで仕事がはかどるぞ!)
と気合いが入ったのはいいが、使用説明書を読んだり、インターネットでポメラの体験記を検索したり、たちまち一夜が過ぎようとしている。
果たして、仕事にどれだけプラスするか。
心もとないながらも期待しているのである。
と、ここまで書いて、そういえばこの間、ちょちょこっとのメモ用に、高価な手帳を買って持ち歩いていることを思い出した。
この手帳を買ったときも、
(よし、これで仕事がはかどるぞ!)
と気合いが入ったはずである。
何だかイヤな予感ではないか。
「ポメラ」を買った
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