歳時記

白子海岸に仕事部屋を借りた

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 鴨川に借りていた仕事部屋を引っ越すことにして、約1カ月。
 このHPにも書いたが、ろくでもない不動産がいたりして、気に入った部屋がなかなか見つからなかったが、やっとこさ見つかった。
 白子海岸のリゾートマンションで、鴨川同様、景色はいいのだが、空いていた部屋は3F。しかも、海が見えない。
 海が見えないのでは、海辺のリゾートマンションは意味がなかろう。気乗りしなかったが、とりあえず物件を見るだけ見に行った。
 なるほど部屋は狭く、海は見えないが、ベランダ越しに雑木林が広がっている。そして、ベランダの鼻先の木立を蝶々がヒラヒラと飛び交っているではないか。
「よし、ここだ」
 私は即決した。
 不動産屋の若い営業マンが当惑しつつ、
「もっと上階であれば海が見えるんですがねぇ」
 本当にこの部屋でいいんですか、と言外に念押しのニュアンスで言うので、
「いや、この階でなければだめなんだ」
 私は断固として告げた。
「いいかね、これより上階だと、雑木林を見下ろすようになる。そうなれば余計なものも目に入るだろう。この階より下だと、下過ぎて鬱陶しくなる。だから3階でなければだめなのだ」
「そういうもんですか」
 と、これは小さな声でつぶやき、愚妻を見やったが、愚妻は肩をすくめていた。
 まっ、正直なところ、海が見えずして海辺のマンションを借りるのは、何だか釈然としないでもないが、これが人生同様、成り行きというやつである。
 成り行きには逆らわないのが、私の生き方なのである。
 かくして、引っ越し準備のため、昨日から鴨川の仕事部屋にいる。
 これまで何度か引っ越しを経験しているが、我が家の場合、引っ越しに関する一切は愚妻の「専権事項」である。
 ゆえに私は一切の手出しをせず、
「早く終わったら風呂に入り行こう。そのあとでキュッとうまい酒を飲んだどうだい。さあ、頑張って」
 応援団に徹しているのである。

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