車のナンバーを見るのが、私は大好きである。
その番号を希望した意図を、あれこれ想像するのが楽しいのである。
「11-22」だと、「いい夫婦」という語呂合わせから、夫婦円満を願っているか、仲睦まじい夫婦ということになるが、私は解釈をひとひねりして、
(離婚寸前の夫婦がヨリを戻し、その証として〝11-22〟なんてのもアリだな)
と、そんな勝手なことを考えながら、ナンバーを見るのである。
で、昨夜のこと。
けたたましくクラクションを鳴らして走る車のナンバーが「25-25」だった。
この「25-25」という数字は、乗用車などよく目にするナンバーで、これまで笑顔の「ニコニコ」の語呂合わせだろうと思っていたのだが、走り去る「25-25」を目で追いながら、ふと、
(不幸、不幸)
という語呂合わせが脳裏をよぎったのである。
本人は「ニコニコ」のつもりとしても、見方を変えれば「不幸、不幸」になってしまう。「ニコニコ」と「不幸、不幸」とでは、気分は天地の違いだろう。
ことほどさように、好意をもって見るか、悪意をもって見るかで、語呂合わせも180度変わってくるということなのである。
人間の長所と短所も同様で、「好意をもって評価するか」「悪意をもって評価するか」によって、長所にもなれば短所にもなる。
消極的な人間は、好意をもって見れば「おとなしい人」であり、粗野な人間は「男らしい」、おてんば娘は「活発なお嬢さん」。評価なんてものは、好悪の感情で、いかようにもなるということなのである。
そんなことを走り去る「25-25」を見ながら思った次第。
ついでながら、「25-25」にお乗りの人は、どうぞ気を悪くされないように。他意はないゆえ、「ニコニコ」笑顔で運転していただきければ幸いである。
ナンバープレートの語呂合わせ
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