歳時記

菊丸さんを熱海に訪ねて考えた

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 一昨日のこと。
 所用があって、熱海の山腹で〝田舎暮らし〟を楽しむ桂菊丸・泉アキ夫妻を訪ねた。
 菊丸さんとは旧知だが、お会いするのは久しぶり。眼下の絶景を楽しみつつ、畑のこと、田舎暮らしのこと、人生のことなど話が弾み、愉快な時間を過ごした。
 私も〝田舎暮らし〟には興味がある。
 古武道の稽古で毎月、沖縄に通っていたころ、本気で沖縄に居を構えようかと思い、過疎地の物件を探したこともあるのだが、千葉に道場もあり、諸般の事情で断念した経緯がある。
 沖縄が無理なら、私が住む千葉県内で〝田舎暮らし〟をしようか――熱海からの帰途、新幹線のなかで、そんなことをつらつら考えていたら、ふと、
(年を取って、車の運転ができなくなったらどうするんだ?)
 そんな思いがよぎったのである。
(ウーン)
 私は唸った。
 何を唸ったかというと、人生の不条理に、である。
 若いころは、仕事に忙しくて〝田舎暮らし〟はとてもできない。
 さりとて、リタイヤしてからでは、そう遠くないうちに車の運転ができなくなるだろう。病気にでもなれば、通院もままなるまい。
 つまり、人生において〝田舎暮らし〟をするのは、至難のワザということなのである。
 だが、菊丸・泉アキ夫妻はすべてを承知で〝田舎暮らし〟を存分に楽しんでいる。
「今」を謳歌している。
(やはり人生、そうあるべきだな)
 私は反省した。
 来るか来ないかわからない「将来」のことなど、思い煩うことはないのだ。 
(桂菊丸さんブログ http://ameblo.jp/kiku-maru/

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