4選を果たした石原慎太郎都知事が節電にからみ、自動販売機とパチンコ店をヤリ玉にあげて、
「軒並みに自動販売機が並んでいるこんなバカな国はないよ。パチンコだってそうじゃないの。社会全体で反省したらいい」
と、批判した。
さすが、物書きの言葉である。
評論家諸氏のように、
「ライフスタイルの見直し」
などと抽象的な表現はしない。
「自動販売機」「パチンコ」という〝身近な具体例〟で、私たちの心情にインパクトをもって訴えるのだ。
だが、その一方で、福島原発事故に世界の耳目が集まっている今こそ、核兵器廃絶に言及して欲しかった。
平和利用でさえ、災害において、これほどのダメージを与えるのだ。
いわんや核兵器ともなれば、人類の滅亡さえ懸念される。
「核兵器を抑止力にするなんて、こんな愚かなことはない」
と痛烈な批判メッセージを発信すれば、世界の人々に向けて大きなインパクトを持っただろう。
あるいは、大震災への各国の支援に対して、
「国境と人種を超えた人間の絆(きずな)」
というメッセージを発することも大切ではないか。
そうすることが、政治家の、私たちの、震災で犠牲者になられた多くの方に対する責務であると考えるのだ。
石原都知事の「節電」に思う
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